高校時代はスペイン人監督の元でサッカーを学び、その後東京の大学でスペイン語を専攻していました。
大学2年生の時に、スペイン留学を経験。その際に学んだ『スペイン語に適した効果的な勉強法』を生かして在学中に
・DELE B2
・スペイン語検定3級全国最優秀賞
スペイン語検定4級全国最優秀賞
などの結果を収め、スペイン語の道を決意。
その後は、(株)楽天グループ グローバルスポーツ事業部にて某有名サッカー選手が携わるプロジェクトで翻訳業務を経験。
現在は高校生・大学生を中心にスペイン語レッスンや課題代行を行なっています。
趣味は『ワイン』『ビリヤード』『ドライブ』『サウナ』
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皆さんからのご連絡、心からお待ちしています♪
¡Vamos a aprender juntos, Gracias!
Spanish with Vicenteで学ぶporとparaの違い
スペイン語学習者であればporとparaの使い分けに悩まされた経験が誰しも一度はあるのではないでしょうか。
確かにややこしいporとparaの違いですが、概ねの用法はどのスペイン語学習テキストに載ってある内容をおさえておけば大丈夫です。
しかし、実際にネイティブが使う用法にはテキストに載っていない、やや踏み込んだ内容のものもしばしば。
そこで今回皆さんにご紹介するのは、スペイン語Yotuberとして活動中のspanish with vicenteさん。
実際にスペイン語オンsラインスクールを運営している彼の動画はどれも理解しやすいうえ、要点をしっかりおさえて説明してくれています。
そんな彼の動画ですが、内容は全てスペイン語で発信されているため、初学者の方にとっては今見ても正直チンプンカンプンでしょう。
ただどうしてもこの内容を皆さんに広めたいと思った私は、直接Vicenteさんに動画コンテンツの和訳と和訳内容のブログへの引用をお願いしました。笑
そしてなんと翌日には早速返事が届き、「引用元をしっかり明記してくれるなら構いません」と快くOKがもらえたのです!!
今後、彼の動画で皆さんのスペイン語学習に役立ちそうなものを見つけたら、即時当ブログでシェアしていければなと思っています。
さて、今回は「porとparaの違い」についてです。
それでは見ていきましょう!
Part-1
①La carta ha sido escrita por mi amigo.
②La carta ha sido escrita para mi amigo.
それでは①と②の違いを見ていきましょう。
①の文章を訳すと、「①その手紙は私の友達によって書かれたもの」と”受け身”の構成になっています。
つまり、①の文章におけるporの役割は「受け身文を構成するpor」となります。
Vicenteさんの解説:
spaish with vicente “diferencias entre por y para con ejemplos”
La primera frase, significa que la persona que ha escrito la carta es mi amigo.
「最初の文章の意味は、手紙を書いた人物は私の友達であるということを意味しています」
次に、②のparaに置き換わった文章で考えてみましょう。
②の意味は、「②その手紙は私の友達宛に書かれたもの」。
つまり、②の場合は手紙を受け取る人物は「私の友達」ということ。
「〜宛に、〜に向けて」という対象を言いたい場合は “para”
Vicenteさんの解説:
spaish with vicente “diferencias entre por y para con ejemplos”
el segundo ejemplo, significa que mi amigo es la persona que va a recibir la carta.
Es el destinatario de la carta.
「2番目の例文の意味は、私の友達が手紙を受け取る人物であることを意味しています。つまり、友人が手紙の受取人なのです」
・destinatario, ria「(郵便などの)名宛人、受取人」
Part-2
①Inma tiene un par de muebles por vender.
②Inma tiene un par de muebles para vender.
これは日本語に訳すとあまり違いが見られないような文章のため、なかなか理解が難しいところ。
①も②も、訳すと「インマは販売用の家具を2つ持っている」となります。
ただ、このporとparaの間にはニュアンスの違いが存在します。
ここはVicenteさんの解説が非常にわかりやすかったので、和訳した内容を中心に解説していきますね。
Vicenteさんの解説:
spaish with vicente “diferencias entre por y para con ejemplos”
①significa que Inma tenía muchos muebles, tenía muchos y ella estaba vendiendo muchos, pero ha vendido todos menos dos. Entonces le quedan dos muebles por vender.
②significa que Inma solo tiene dos muebles que están a la venta y que está dispuesta a venderlos.
「①の場合、インマはすごい多くの家具を持ってて同時にたくさん売っていた。でも最終的に2つだけ売り残ってしまった」
「②の場合、インマは2つの家具のみ売りに出している状態」
・mueble「家具、備品」
・un par de 〜「2つの〜」
paraの方が「目的かつ限定的」な要素が強く、porの方は「原因・理由」の要素が色濃く出ているのがなんとなくニュアンスの違いにも反映されていますよね。
ただ、今回の場合は文の背景に関するニュアンスの違いにフォーカスされているため、仮に使い分けを間違ったとしてもそれほど大きな誤解は生まれないでしょう。
Part-3
①Por eso me quedaba en casa.
②Para eso, me quedaba en casa.
こちらの例文も非常に紛らわしいporとparaの使い分けの一例。
今回は先ほどとは違い、porとparaの違いをしっかり理解して使い分けなければ相手に大きな誤解を与えてしまうかもしれません。
Vicenteさんの解説を見てみましょう。
Vicenteさんの解説:
spaish with vicente “diferencias entre por y para con ejemplos”
①・・・Estoy dando una explicación, estoy dando un motivo por el que yo quería dar, por el que me quedo en casa.
「①の場合、家に残ることに関する「動機」や「説明」を言っています。」
②・・・Significa que hubiera sido mejor quedarme en casa.
「②の場合、”家に残る方がいいであろう” という意味合いが強い。」
por esoというのは「だから、したがって」という「説明」の意味があり、日常会話でも頻繁に使われる表現です。
同じ意味としてPor lo tantoも挙げられ、Part-2のように、Porが持つ「理由・動機」の用法になります。
一方paraの場合、「そうであるなら」というニュアンスを含むようになり、hubiera sido mejor「〜する方がよかった」に言い換えが可能。
Vicenteさんの解説:
spaish with vicente “diferencias entre por y para con ejemplos”
Si no escucháis lo que digo, es difícil explicarlo…. y para eso ¡no hago el vídeo!
「私の言ってることを君たちが聞かないなら説明するのは難しいよ..それならビデオ作らなければよかったなあ」
・explicar「説明する」
こうして例文で見ると理解しやすいですよね!
Part-4
①Por mí, haz pasta.
②Para mí, haz pasta.
続いての例文がこちら。
どちらも「パスタを作って」という意味ですが、porとparaどちらを使うかによってまたしても意味合いが変わってきます。
Vicenteさんの解説:
spaish with vicente “diferencias entre por y para con ejemplos”
①・・・significa que le estoy diciendo que a mí me parece bien que cocinen pasta. Por mí sí, está perfecto la pasta.
「①の場合、パスタを作るのは私的に賛成。”私にとってはパスタで構わないよ”というニュアンス。」
②・・・significa que yo quiero pasta. ¡Dame la pasta, dámela!
「②の場合、”私はパスタがいい!パスタ食べたい!!”というニュアンス」
この場合“por”は、「自分的にはOK」という軽めの意志で要望しています。
一方“para”の場合、「”私の為に”、”私向けに”」という意味合いが強く出ます。
次の例文でより理解が深まるのではないでしょうか。
Vicenteさんの解説:
spaish with vicente “diferencias entre por y para con ejemplos”
A-¿Qué queréis, pizza o noodles?
B- ¡Oh! por mí pizza, porfa.
C- ¿Vas a hacer pizza? Ah, por favor haz una pizza para el niño también ¿vale?, que tienen hambre.
「A:ピザとヌードルだとみんなどっちがいい?」
「B:お!俺にはピザをたのむよ」
「C:ピザを作るって?じゃあ子供用にも頼むよ、すっかりお腹すかしてるからさ」
Bの人は「個人的にはピザがいいな〜」という軽めな感じですが、Cの人が言った「子供のために(子供用のも)」というのは要望の度合いがやや強めなのがみてとれますよね。
対象へのこだわりが強いとき、対象向けに何かはっきりとお願いしたい際には “Para”を使うようにしましょう。
Part-5
①Por favor, habla por ti.
②Por favor, habla para ti.
最後の例文がこちら。
これは比較的簡単に使い分けが可能ですし、何より実用的ですので覚えておいて損はありません。
まず①の”habla por ti”は、「君自身の意見を言って」という意味を持ちます。
Vicenteさんの例文を参考にしつつ、詳しく見ていきましょう。
Vicenteさんの解説:〜habla por ti〜
spaish with vicente “diferencias entre por y para con ejemplos”
A- ¡Trump nos parece un presidente espléndido!
B- Ehh….habla por ti ¿vale? Habla por ti, no hables por mí.
「A:私たちにとってトランプは本当に素晴らしい大統領だよなあ」
「B:えっと、、、それは君の意見だからね。僕に言わないでくれ(巻き込まないでくれ)。」
トランプ大統領に対する印象を、さも皆が共通して思っているかのように主語を大きく言っているAさんに対して、Bさんが「それはお前の意見だから俺らを巻き込まないでくれ」という意味合いで”habla por ti”と反応していますね。
では次に、②を見ていきましょう。
②の”habla para ti”とは、「心の中で言って/独り言/声を落として喋って」という意味を持ちます。
直訳すると「君に向かって喋って」となりますから、なんとなく意味も捉えやすいのではないでしょうか。
例えば、勉強中の人の迷惑になるボリュームで話している人に対して、”habla para ti”と注意すると「声を落として」の意味になりますし、声に出して何か復唱している人に対して”habla por ti”と言えば「心の中で唱えて」とも解釈できます。
どの意味を取るかはその時と場合によるので、状況に応じて意味を考えましょう。
まとめ
porとparaの違いはいかがだったでしょうか。
ネイティブが紹介するYoutube動画だからこそ、市販のテキスト以上に実用的な解説や例文が紹介されているのが強みですよね。
今後も引き続き、Vicenteさんのレッスン動画和訳版を当ブログで紹介していけたらと思っていますのでお楽しみに!
それではまた。
Nos vemos〜👋
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